オススメ度:★★★★☆
想定株価:2800Y
下値:1200Y
投資方針1:当期内上方修正狙い
投資方針2:需給改善と悪材料出尽くしを待ってから数年のつもりでホールド

決算史
14年~17年期
増益が続き、好調でした。これは売上高の増収と原価などコスト削減が理由として上げられています。
学校、公益施設、電車などの建材が主な製品ですので、アベノミクス好景気での活況な設備投資が主な増収理由で、1ドル100円くらいのやや円高の為替は原価低減に寄与しているような印象です。
18年~22年期
減収減益が続いていて、特にコロナ禍で大きく減益しました。
こうした非住宅の建設業はコロナ禍で市況が冷え込んだのでそれが理由かなと思います。
⭕️23年~24年期
23年期はエネルギー価格高騰、おそらく円安も加味した原材料高騰でひどい有様でした。
ただ、24年期に入りそれらが落ち着き、業績は上向きつつあるのが現状です。
25年期は弱気な予想と8月の暴落で株価は大きく下落したままですが、業績は好調で実は魔の8月5日に1Qで上方修正を出しています。
今までの低調は外部環境の影響が大きく業績が回復途上にも関わらず見逃されている衣装があり、今の業績動向は好印象でした。
材料
❌️需給動向

買い寄りですね。しかも・・・

7月くらいに2万株ほど信用買いを入れたヤツ(ら)がいるようで、8月の暴落後も耐えてるようです。
おそらく心理的に苦しいポジションで、この2万株は平常時の出来高1週間分くらい。
ガン無視はできないイヤ~な感じです。
業績予想の傾向

だいぶ弱気傾向です。
16~20年がとても好調だったことを差し引いても、最低最悪の想定で出してる印象です。
?株主、役員構成

会社HPで遡れる2006年時点ではすでに東ソーが32%の筆頭株主で、ここ10年くらいで比率が38%に増えました。
役員は東ソー出身が社長を含んで4/8。生え抜きが2/8。社長はずっと東ソー出身のようです。
役員報酬は一人当たり1300万円ほどと法外ではなく、後述しますが配当性向も悪くないので全くダメな支配関係ではなさそうです。
それでも意思決定は仕入先でもある東ソーに支配されており、利益相反に十分注意を払う必要があります。
❌️本社移転での特損
本社を移転するようです。
24年2月に東ソーも本社移転してるのでMBOか??とも思いましたが、東ソーは東京八重洲、ロンシールは墨田区から東新橋で、今より近くなるもののちょっと違うかなぁ・・と思いました。
また、

持ちビル本社の土地は簿価1300MYですが、この立地は

・↑公示価格では商業地として70万円/m2ほど?(どう読めばいいんだ・・)
・路線価では52万円/m2でした。
それぞれ土地面積をかけると308MY, 229MY と簿価よりだいぶ安く、1000MYの含み損です。建物の雰囲気は昭和後期っぽいのでバカ高いバブルの時に買ったとか・・?
本社移転で土地を売却したら特損になり、悪いカタリストの可能性があります。
(土地の含み損益評価は経験浅いですが、南海辰村建設の20年期特損事例を当時の地価マップで評価したところ公示価格 x 土地面積で評価した含み損が特損とだいたい同じだったのでそんなに間違ってなさそう)
ちなみに、同様に土浦事業所(簿価977M)を見たところ、評価額は2115。含み益が1138MYに。・・・ホンマ?出来たのが1960年らしいのでまぁあり得るということにしておきます。顕在化することは無い気がしますが・・。
事業価値

決算史のほか、リーマンショック前、ITバブル崩壊前なども好調だったところを見ると、典型的なシクリカル銘柄に見えます。
すでに1Qの経常利益進捗が30%で業績予想の傾向なども加味すると会社予想より+200MYの900MYを当期利益見積もり、その後は+5%の増益を見込みます。
2000年頃から売上高は大して増えてないので長期の成長は見込めませんが、無成長企業として9±2倍のPERを見積もります。
(いつもキモいと思ってたので、ネットキャッシュ比率で想定PERに補正をかけるのはやめて、最後の想定株価の計算時に補正することにしました)
⭕️資産価値

好景気下の利益を溜め込み、減益はしたものの財務は健全なまま株価が下がって資産価値が高い状態です。
予想配当利回り4.7%、配当性向20~40%と良い水準です。ただし、不景気下は無配だったようです。
    
ネットキャッシュ

項目が結構多いので別表にしてみました。
基本は清原氏流のネットキャッシュですが、かぶ1000さんがやってるように土地の含み損益も加味してみてます。
前述通り本社と土浦事業所の土地の含み損益が合計+134MYです。
総評

※今回から?PER強気での想定株価はそのまま載せた上で、ネットキャッシュ比率で補正した株価を併記することにしました。資産価値を無視して事業価値だけを見る場合の株価レンジが隠蔽されずにちょっと見やすくなった…はず。それ以外は今までと変わりません。
今回はネットキャッシュ比率が1以上で計算不能なので0.7として補正しています。
やはり、資産価値が高く安全域が大きいです。
その上で、数年の視野で見ると低迷気味に見えるものの市況・足元の業績ともにシクリカル銘柄の回復期の可能性があり、良さそうに見えます。
ありそうなカタリストは
⭕️業績上方修正(1年内)
⭕️割安さからの東ソーのMBO(あるかもレベル)
❌️信用買い残由来の売り圧(3ヶ月内)
❌️利上げでの建設市況悪化(数年内)
❌️本社土地での特損(数年内)
いろいろありえるので、エントリーのタイミングは難しいです。いや、株は何もかも全部むずかしい。
ちょっとだけつつきながら、もっと安くなったら大きくエントリーとかかなぁ・・。