適正株価予想:
23/3 73D
24/3 90D
25/3 110D
26/3 125D
2017~のチャートと業績。
長らく目覚ましい成長を続けてきましたが、2021年の後半から利益面では伸び悩み、22年当期は大きく利益が落ち込む見込みです。
この落ち込みが一時的なものなのかが焦点になりそうです。
Q3 2022 Presentation
利益は落ち込んでいますが、売上は伸び続けています。日本でも大いに利用されていることを考えると、海外24%より北米61%と倍以上の売上を占めるのが意外です。
また、AWSのネットワークインフラ事業は既に十分な割合を占める一大事業となっています。
北米の売上と営業利益(2022 Q3まで)
米国においては一時は四半期で3000MDほどの利益を出していたようですが、21年末頃から売上が大きく落ち込み、赤字化しました。
最大でも5%程度で高くはない利益率が成長見込みの投資や費用増を支えきれなかったと推測します。特に2022 Q1はウクライナ戦争の影響も大きそうです。
海外の売上と営業利益(2022 Q3まで)
レポートでも書かれていますが、特に2022年の赤字は為替の影響が大きいです。
元々の利益率も3%以下の水準だったところ、実に米ドルは主要通貨に対して15%近く上がりました。海外での販売高が米ドル換算では安くなってしまったようです。
為替影響を加味すれば売上自体も回復傾向で、今はドル安へと向かっている状態ですから、赤字幅は縮小していくでしょう。
AWSの売上、営業利益(2022 Q3まで)
実は、AWSの事業が非常に好調です。利益率は25~30%にもなり、売上も順調に伸びています。
インフラ事業ゆえ、社会情勢や不景気に強い様子が見て取れます。
ただ、こちらは為替影響はあまり受けていないようで、にも関わらず利益は売り上げより成長率が低いのが気になります。
事業別業績(2022 Q3)
ということで、小売での赤字をAWSが支えているのが現状です。
今後の予測
セグメントごとの性格が異なるので、それぞれ別で考えるのが良いでしょう。
北米セグメント
2021年が280BD, 2019->2020の成長率は40%ですが、2021年には20%、2022年は見込み20%とやや飽和が近い印象です。
2021からの売上成長率を20%, 17%、14%、11%とします。
利益率は、米国経済がすぐには回復しないこと、今なお技術投資等に積極的な姿勢を見越してやや低めに2%と見積もります。
海外セグメント
現状は、為替影響を除くと2021 Q3 -> 2022 Q3 で12%の成長です。北米に比べるとまだまだ成長余地はあるのでしょうが、国際関係が安定化しない状況で大きな躍進は見込めません。 2021からの売上成長率を12%、12%、12%、12%とします。
利益率は、為替が戻ってきても元々低いことを加味して0.5%とします。
AWSセグメント
2021 Q3 -> 2022 Q3 の27%成長率を加味し、2021からの売上成長率を27%、24%、21%、18%と見積もります。
利益率は28%と見積もります。
営業外損益、税
Rivian Automotiveへの出資など、営業外での利益を上げることも多いAmazonです。
2021本決算資料によると税率は16%程度ですが、投資利益を加味して営業利益の90%が純利益になると見積もります。
総合するとこうなりました。
Q3まで出ている23.3のコンセンサスとは大きく食い違いますが、「大体これくらいのポテンシャルがある」として気にしないこととします。
これを元に適正株価を予想したのがこちら。
コカ・コーラやウォルマートを抜きマイクロソフトに迫る、既にかなりの巨大企業ですが、まだまだ積極的な投資姿勢を加味して適正PERは28としました。
それ故に赤字や大きな投資損を計上することも多々あるようで、中々不安ではあるのですが・・。