日創プロニティ 24/01/18

24/01/28追記:資産価値分析を追記し、数値を見直してやや下降修正されました。

 

想定株価

24.8 1140Y

25.8 1240Y

26.8 1350Y

オススメ度:★★★☆☆

 

金属加工やゴム加工などの会社です。

 

1/15に1Q決算を発表し、経常利益を2倍に上方修正したことから2日連続でストップ高になりました。

 

事業価値分析

このように見積もりました。

 

売上成長率の見積もり

売上はこの7年でCAGR+16.6%となかなかですが、M&Aによるものが大きく、自己資本比率は78%から51%まで低下しています。

流動比率258%、有利子負債自己資本比率63%と加えるとまだ財務上の大きなリスクと呼べるものではないですが、ずっと継続可能な高成長ではないことは注意が必要です。

 

例えば17年は、売上成長率34%ですがこれはほぼM&Aによるもので、自己資本比率が11%減っています。

23年も同様で、売上成長率は70%ですが(おそらく)ほぼM&A由来。自己資本比率は15%減っています。

正確な見積もりは難しいので、大雑把ですが自己資本比率1%につき売上が4%ほど増えると見積もります。

すると、売上CAGR16.6% x 7年=116.2 、減少自己資本(78-51=27)% x 4% = 108 とあまり変わらないので、表内の成長はM&Aの寄与分がかなり大きいと考えました。

 

これを踏まえ、今後の売上成長率は実績CAGR16.6%より大きく下げて9%、想定PERは13倍と見積もっています。

 

純利益率の見積もり

23期から大きな特別利益1500MYを除くと純利益は300MYほどで、純利益率が2.4%です。

また、今期の会社予想は純利益率5%を見積もっています。

難しいところですが、22年、23年実績の2%台を過去の5%、9%といった数値に少し寄せて4.0%と見積もりました。

 

会社予想の信頼性評価

また、こちらが各年での期首予想と実績です。

受託型ビジネスなので仕方ないとは思いますが、上振れ下振れが大きいです。

平均的にはだいたい100%くらいですが、M&Aを含めてこの実績です。

・M&Aありきの経営計画である(まぁ書いてますが)

・受注次第で下振れ、上振れが激しい

こうした理由から、売上予想、純利益予想は保守的なラインとしてそれぞれ会社予想から16500 -> 15000, 841 -> 600と低めに見積もりました。

 

資産価値分析

前述の通り自己資本比率は目減りしています。

ただ、純資産はBPSはちゃんと増えているので無茶苦茶なM&Aというほどではないでしょう。

 

 

総評

確かに決算前の株価水準は随分安かったのでストップ高も頷けますが、飛びつくのは慎重になりたいですね。

 

事業価値に重きを置かれていそうですが、M&Aの息切れで評価が転落するリスクには気をつけたいです。