おかねいじりむしの投資ノート

すぐ忘れちゃう自分用の公開ノート。 主に国内株の銘柄分析です。

デジタルハーツ 取引振り返り 24/06/14

2023年の個別株投資振り返り - おかねいじりむしの投資ノート

年初の振り返りでも触れていますが、23年の投資で最も大きな損失を出したのがデジタルハーツHLDGSでした。

 

現在は保有していませんが、最終的な損失は-69万。

23年の個別株は総額+110万でしたので、大変大きな額です。

 

「投資は敗者のゲーム」と言われる通り、負けをちゃんと分析して同じ負けを繰り返さずに済む方法を考えてみます。

 

こちらが実際の売買履歴。23年6月に買い始め、24年1月に売り切りました。

 

過去3年の週足チャートをベースに、各時期の保有額を面グラフにして重ねました。

この間に書いた記事の時期を明記して、決算時期も書き込みました。

 

記事は以下の3本。

デジタルハーツHLDGS 23/06/13 - おかねいじりむしの投資ノート

デジタルハーツHLDGS 23/08/11 - おかねいじりむしの投資ノート

デジタルハーツHLDGS 23/11/11 - おかねいじりむしの投資ノート

 

記事2と3はそれぞれ1Q, 2Q決算の直後ですね。

 

考察1.記事1の段階で買い込まずに済んだか?

グラフを見る限り、記事1から1Q+記事2までの間に大量に買い込んでおり、1Qで予想を大幅に下回って下落トレンドに巻き込まれたことが損失のほとんどを占めています。

記事1を書いた段階では、売上CAGR+17%、会社予想売上成長率+12%を根拠にPER20倍を見積もり、+40%ほどの上昇余地を見込んでいました。

・この頃はまだ想定株価を計算した回数も少なく素晴らしい上昇率に見えていた

・23/06のチャートが反発前の底値としか見えていなかった

このあたりが大量買いの理由です。

 

ですが、年初の振り返りでも述べた通り、24年に入ってからは、

 

・会社の期首予想達成率を調べ、会社の業績予想の信頼性を評価する

・2, 3年ではなく10年以上前からの業績、財務の推移を見て、成長なのか減益からの回復なのかを見抜く(IR BankのCSVダウンロードがコピペに便利です)

・売上や利益だけではなく財務もチェックする

・真の意味で財務余裕を図るため、ネットキャッシュ比率を計算し想定PERを補正する

・弱気PER、強気PER、PBRでそれぞれ想定株価を出し、下値の目安を可視化する

・売上+純利益率ではなく経常利益をベースや利益を見積もる(純利益率は変動が大きくなりやすく、経常利益の方が見積もりやすいため)

・業績、財務の多数の実績を過去長期に渡って眺め、特損など大きな変化は理由を調べる

・最近は受給の状況を見はじめた(信用買い、売り、貸付残をIR Bankでチェック)

・業態と関連する政府統計など指標になる統計があれば目を通す。

 

これくらい、当時は見ていなかったものを含め入念に情報を集めています。

IR取材はまだやったことないです。電話かけたらいいんですか?しらんけど。

 

IR Bankより、デジタルハーツの過去業績

今回の場合だと、

・経常利益に対して通常60~70%程度になるはずの当期利益が低い(50%未満)年が多すぎる

・経常利益がアップダウンしており、またダウンする可能性を考慮すべき

これらは今の調査精度なら気付いただろうと思います。

買った当初の売上CAGR+17%、当期予想+12%は慎重に見てもなかなか魅力的だっただろうと思いますが、今の慎重さで見れば弱気PER12倍、強気18倍くらいを見積もったのではと思います。

特損をたびたび出すことを考慮して当期利益見積もりを割り引き評価し、下値1100Y, 想定株価1500Yくらいに評価出来ただろうと思います。

 

少なくともすぐ大量買いはしない・・・はず。

 

考察2.記事2の段階で損切りが出来たか?

今の慎重さがあればそもそも記事1の後は買ってないか保有が少量だと思いますが、買っていたとしたら「会社予想通り売上の高成長が24年も続く」というストーリーに沿っているはずです。

そのストーリーが崩れかけていますし、記事2の内容を見ても期待上昇率もゼロ%付近でした(記事2では株価が1300Yですが、決算後の株価は1200Y前後に下落しています)。

なので、さっさと損切りが妥当な判断です・・・が、まぁここは少し自信がないです。

四半期決算で全部決めつけるのもいかがなものかですし、「まぁ想定株価くらいだし大きなプラスになる見込みが低くても全売りは焦りすぎ。ホールドホールド」と考えてしまわないかは、自信がないです。

 

これを避けるにはやはり購入後のストーリーを明確に持つことが大切そうです。

デジタルハーツの場合は、エンタープライズ事業が大きく売上を伸ばしており高成長の継続を期待していた節がありました。

ただ、実際は利益はまだまだ低く、利益はエンターテインメント事業頼みでした。

そのため、エンタープライズ事業の成長を(1年2年単位では)株価向上のストーリーとして持っていたことが不適切でした。

過去の予想や特損ぶりを見たら会社の「通期での営業増益を目指す」もほぼ信頼ゼロなことも明らかでしたので、その不信感をちゃんと発揮すれば全売りという判断も出来た・・・かもしれません。

やはり自信はないです。

 

 

考察3.記事3の後全売りは適切だったか?

結果で見れば現状ほぼ底で売ってしまっていますが、これはそもそも全売りで適切だったと思っています。

ズルズルと大損したという事実からその時点で知識・経験不足の可能性が高く、結果はともあれホールドし続ければその知識不足で更に損失を増やす可能性があったからです。