ボーイング

航空機産業の回復と米国での防衛費増を見て気になった銘柄。

 

まずは財務状況を見て欲しい。資産より負債が大きく、純資産が負。
債務超過である。

 

よく知らなかったので驚いたが、そこそこ有名な事実らしい。

2021年度の貸借対照表を見るとわかる。

34BDの内部留保が-51BDの自己株式取得費用打ち消されている。

どうやら、非常に積極的な株式還元を行っており、利益のほとんどまたは利益以上の額を配当や自己株式取得に費やし、安定して黒字であった2018年の頃もずっと自己資本比率が非常に低い状態だったようだ。

 

そこに2018年の墜落事故で利益を落とし、2020年のコロナで大赤字を経常した。

結果、長期負債が58BDと2018年水準の5倍超に膨らんだのが現状だ。

 

純利益が2018年の水準に回復したとしてもその5倍の長期負債の返済には5年を費やす。

 

株主還元によって短期的には株主利益と株価上昇をもたらして経営者は評価されたかもしれないが、その結果会社を潰れかかってしまうのでは全く良い経営とは言えない。

将来的な会社の価値を前借りしてバラまいただけである。

合法か違法かの問題でなく、悪事とさえ思う。

 

エアバスに対抗出来る民間航空機と防衛のビジネスは米国にはなくてはならず、いざとなれば政府が助けるだろうと言われているが、ボーイングの事業は守っても株式は紙くずになる可能性はありえるだろう。

(ちなみに、2010年に財政破綻したJAL上場廃止となる時に株式の価値は0になった)

 

経営者への不信感、財務の現状 の2点から個人的には投資すべきではないと考える。

 

ちなみに、異常に高額な自己株式費用が何をもたらすのか調査した時に見つけたこちらの動画が非常に分かりやすかった。

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