買取王国 24/01/30

想定株価

24.2 1200Y

25.2 1200Y

26.2 1320Y

オススメ度:★★★★★

 

前回

 

何度見ても安い、大きく上がる余地があると思うのですが、だからこそ徹底的に調べようと思い、前回までしていなかった資産価値分析や過去の業績推移を改めて詳しく見てみました。

事業価値分析

年は2010まで、営業利益と率も含めて業績を見てみました。

この範囲の通期決算短信と通期決算資料も全て読んでいます。

 

やはり気になるのは14年~17年。売上も伸び悩み、利益が大きく減っています。

 

14年期 決算説明資料

14年に関しては低価格帯のファッションの売上が減ったことが減収減益の理由としています。

ファッションはずっと変わらず主力商材であり、業態ゆえかもですが利益率は元々低いので納得は出来ました。

その後数年の低迷については、商材の低迷、IT投資の費用、不採算商材、店舗の撤退など様々です。

残念ながら課題も対策も定量的な数値がないため今後の減益懸念は評価しきれませんでした。

ただ、ダメな商材や店舗はすぐ撤退する、人材重視で人事評価を改革するあたりには素早い経営判断が見て取れて、個人的には好印象です。

いずれも一時的には費用になっても長期では恩恵があったと想像します。

さもなければ赤字の年も多かったかもしれません。

 

とはいえ、現在の好調は工具という商材の発掘が最も大きいようです。

17年期に工具買取王国を出店して以降、18年期には0.7%だった工具は22年期、23年期には20%を占める高成長を遂げています。

これを発見して素早く伸ばしてきた判断も評価に値します。

 

24年期 2Q決算資料

ただ、現在の好調は工具に加えて事業環境の変化も大きそうです。

特別な施策のないファッションも大きく伸びており、これの理由は不明ですがおそらく循環型社会への意識の高まりという理解が一番でしょう。

 

ちなみにトレカも超伸びていますが、これは最近骨董・投機的な売買が増えていて要注意と思っています。まぁ比率はまだ小さいようなので特に気にしていません。

 

総合的に、

  • 循環型社会意識での成長は企業努力だけで維持は難しいが、継続しそう
  • 工具の発掘は商材発掘の企業努力の成果。同等の発掘も見込める
  • 問題を克服し、逆境に耐える経営能力がある

こう考えています。

今の成長がある程度は継続すると考え、売上成長率15~8%(減衰)想定PER15倍 と見積もりました。

純利益率も好調な現環境でのものが継続すると考え4.8%を見積もりました。

24年期 3Q短信

今期の見積もりは、会社予想は超えそうですので3Q累計時点での前期成長率を23期通期実績に乗じて概算しました。

 

資産価値分析

やはり10年以降全てと、総資産、利益剰余金の推移も並べてみました。

前回は言及しませんでしたが、低迷期も赤字は免れたおかげで純資産、BPS自己資本比率、利益剰余金のいずれも伸び続けており、余裕のある財政に変化しつつあります。

13年頃に一瞬伸びたのに長期低迷した過去よりは安全な銘柄に変化したと言って良いでしょう。

 

株主還元に消極的なことはやや気になります。株価が今一歩伸びない要因の1つかもしれません。

 

総評

今の株価はグロース価値が評価されていると思いますが、低利益率、低ROEであるためそれに全比重を置くのは危険です。

事業価値の比重は70%とし、ある程度資産価値を考慮しても割安と言えることを確認しました。

 

リスク

やはり利益率、ROEが低く、事業環境の変化次第で減収、赤字も十分ありえることはリスクと言えるでしょう。