三井E&S 24/02/22

想定株価

24.3 1420Y

25.3 1400Y

26.3 1500Y

オススメ度:★★★☆☆

 

 

2/14に3Q決算が発表されて

高騰しています。

  • 10年チャートでは1500~2000円で推移していた時期があり上昇余地がありそう
  • 決算前に友人が上方修正を予見していたのに大変感銘を受けた

ということで調べてみました。

事業価値

なかなかに壮絶な業績でした。

8年~14年くらいまでは順調だったようですが、15年~22年は減益、赤字、大赤字と大変な有様です。

この赤字の原因は把握しておく必要がありそうです。

 

20年期 決算資料

過去最悪の赤字となった20年の資料です。子会社のモデック(三井海洋開発)が大変な赤字だったようです。

このモデックは、同じく赤字気味の三井E&S造船(表の「船舶」)と合わせて売却され(モデックは21年末)赤字事業は分離されたのでめでたしめでたし・・・とは思わないのですよねぇ。

売却時も連結子会社から外すために持ち株比率を49%に減らしたのみで、今でもモデック株を40%保有しています。

かくして、売上高300BYという一大事業の業績は売上高と営業利益から秘匿されたのでした。

23年、24年での黒字転換は同時期のモデックの黒字転換(してます)も理由の一つでしょう。

 

で、肝心の友人が上方修正を予見していた根拠について。

友人はエンジン関連の指標を見ていたようなので同じ予想が出来なかっただろうか・・と思ったのですが、総合的に決算前に仕込むほどの確信出来たかなぁ・・と思いました。

 

3Q前の評価で言うと、

23年 2Q決算資料

・確かに2Q決算では船用推進システムの営業利益が期首通期見通しの40億円に迫る勢いでとても堅調かつ、受注高も高い状態だった

・他の事業も概ね堅調で前期のセグメント赤字がほぼ消えていた

・赤字続きから22年で黒字転換したものの、株価はかなり割安水準だった

こうした理由で確かに買うに値する条件は揃っていました。しかし・・・

 

資産価値

なかなか不安になる財務状況です。

自己資本比率がずっと低いままなのも気になりますが、赤字続きで自己資本比率が一度死にかけてるのも不安になります。

もちろん、そこは事業のスリムアップで改善して黒字転換したところなので勇気があれば良いのですが・・。

 

ちなみに、流動比率74%、有利子負債自己資本比率133%です。

特に後者はなかなかデンジャーを感じますね・・。

 

こうした理由から、堅調な事業環境とV字回復の業績にも関わらず想定PER10倍、直近のROE14%と本来なら想定PBR1.6倍ほどでも良いところを想定PBR0.9倍とかなり保守めに見積もっています。

 

総評

3Q決算前は「流石に安いだろ」くらいだったでしょうが、今からエントリーはちょっと怖いなぁ・・・という印象です。

 

モデックの業績、各セグメントの事業環境、造船や機械の業界動向・・正直まだまだ調査不足。やっぱり大企業は分析が大変ですね。

 

もう少し株価が落ち着いた時に株価が1800Yとかまでぶっ飛んでいなければもっと詳しく調べてみたいです。