マーベルヒーローやゲーム・オブ・スローンズ、ハリー・ポッターなど数多くのIPを持つワーナーメディアとディスカバリーチャンネルやCNNなど多数の放送チャンネルを手掛けるディスカバリーが2022年4月に合併した企業です。
ホグワーツ・レガシーの業績見積もり
ハリー・ポッターのゲーム最新作「ホグワーツ・レガシー」の売上が好調で話題になっています。
仮にこのまま歴史的ヒットになった場合の純利益への寄与額を概算してみます。
Steamでの定価は60ドル(ちなみに日本では8700円。現地価格ならもう少し安くなるはずですが、違いますね。円安つら・・)で、平均販売価格はセールでの割引とサブコンテンツ売上を相殺して同じとします。
Steamのプラットフォーム手数料30%を引いた0.7と、大いに売れて開発費や販管費が2割で済んだと考えると営業利益率が0.56と見積もります。
営業利益のうちいくらが純利益と残るかの割合も、大いに売れて0.7も残ると見積もります。
2022年のGame of the Yearを取ったエルデンリングの売上が1700万本で、そのオーダーの売上本数1000万~2000万本を仮定しました。
全体的に楽観的な見積もりで、純利益は200~500MDとなりました。
現実的には150~400MD程度ではないかと思います。
どれくらい業績に寄与する?
合併前の実績で、ディスカバリーの売上・純利益が12000MD, 1000MD。ワーナーメディアは売上35000MD, 営業利益は7200MDのようです(Wikipediaより)。
事業規模としては45000MD、純利益4000MD程度と思われます。
ホグワーツ・レガシーが歴史的ヒットになる可能性は十分にありますが、事業規模が大きすぎて業績への寄与は3%~10%程度。 合併後の経営安定化の取り組みに比べると影響は小さいだろうと思います。
合併について
より注目すべきは合併です。売上高は合併で大きく増えていますが、当期利益は大きな赤字予想です。
合併の目的として事業統合によるコスト削減があった通り、Q2, Q3で2500MDの費用をかけて大規模なリストラを実施しました。
リストラ費用は4000~5000MD規模になると言われています(参考)。
それを加味した上で、どうやらコロナでの巣ごもり需要からの反落で売上が落ちているようです(参考)。
Q4でリストラを継続したと仮定しても、それを除いた赤字額が1000MD程度ありそうです。
業績は赤字続き、自己資本比率は40%ほど、ディスカバリー時代は200%だった流動比率は現在90%ほどと、現在は事業統合で手一杯な様子が見て取れます。
ただ、事業規模が約4倍なだけに純利益4000MD、あるいはそれ以上のポテンシャルがあると言えます。
純利益が4000MDだった場合のPERは約8.5倍ですからなかなか割安です。
コロナ開けと米国の経済引き締めの影響か、2022年の間下がり続けた株価も年明けからは上がり始めているのが現状です。
「今の赤字は一時的で、合併の整理が済むころにはコスト削減で大きな利益を上げてくれるだろう」と捉える見方がありそうですね。
買い?売り?
確実ではないですが、落ち目なうちに多少持っておくのも良いかもしれませんね。